超訳六法全書

いろんな法律を口語意訳

宅地建物取引業法2 第11条~第16条の19

(廃業等の届出)
第十一条 宅地建物取引業者が、次のどれかになったとき、該当者は、その日(第一号の場合は、その事実を知った日)から三十日以内に、その旨をその免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければなりません。
 
一 宅地建物取引業者が死亡した場合 その相続人
二 法人が合併により消滅した場合 その法人を代表する役員だった者
三 宅地建物取引業者について破産手続開始の決定があった場合 その破産管財人
四 法人が解散した場合(合併と破産手続開始の決定を除きます。) その清算人
五 宅地建物取引業を廃止した場合 宅地建物取引業者だった個人又は宅地建物取引業者だった法人を代表する役員
 
2 前項の廃業等の届出があったときは、宅地建物取引業の免許は、その効力を失います。
 
(無免許事業等の禁止)
第十二条 宅地建物取引業の免許を受けていない者は、宅地建物取引業を営んではいけません。
 
2 宅地建物取引業の免許を受けていない者は、宅地建物取引業を営む旨の表示をした広告をしてはいけません。また、宅地建物取引業を営むことを目的とした広告をしてもいけません。
 
(名義貸しの禁止)
十三条 宅地建物取引業者は、自己の免許名義を他人に使わせて、宅地建物取引業を営ませてはいけません。
 
2 宅地建物取引業者は、自己の免許名義を他人に使わせて、宅地建物取引業を営む旨の表示をした広告をさせてはいけません。また宅地建物取引業を営むことを目的とした広告をさせてもいけません。
 
国土交通省令への委任)
第十四条 第三条から第十一条までに規定するもの、免許の申請、免許証の交付、書換交付、再交付及び返納、宅地建物取引業者名簿の登載・訂正・消除について必要な事項は、国土交通省令で定めることができます。
 
第三章 宅地建物取引士
(宅地建物取引士の業務処理の原則)
第十五条 宅地建物取引士は宅地建物取引の専門家ですから、宅地建物取引業のお仕事をするときには、関連するお仕事に従事する者と連携しながら、購入者等の利益の保護と円滑な宅地・建物の流通に役立つよう、公正かつ誠実に、この法律に定める事務を行わなければなりません。
 
(信用失墜行為の禁止)
第十五条の二 宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用や品位を害するような行為をしてはなりません。
 
(知識及び能力の維持向上)
第十五条の三 宅地建物取引士は、宅地建物取引に係る事務に必要な、知識と能力の維持向上に努めなければなりません。
 
(試験)
第十六条 都道府県知事は、国土交通省令の定めに従って、宅地建物取引士資格試験(以下「試験」という。)を行わなければなりません。
 
2 試験は、宅地建物取引士として、実務を処理する上で知っておかなければならない、必要最小限の具体的知識があるかどうかについて行われます。
 
3 第十七条の三から第十七条の五までの規定により、国土交通大臣の登録を受けた者(以下「登録講習機関」という。)が実施する、国土交通省令の定めに従った講習(以下「登録講習」という。)の課程を修了した者は、国土交通省令の定めにより、試験の一部が免除されます。
 
(指定)
第十六条の二 都道府県知事は、宅地建物取引士資格試験の事務(以下「試験事務」といいます。)を、国土交通大臣の指定する者に行わせることができます。
 
2 前項の規定による指定は、試験事務を行おうとする者の申請に基づいて行われます。
 
3 国土交通大臣の指定する者に試験事務を行わせるときは、都道府県知事は、試験事務を行いません。
 
(指定の基準)
第十六条の三 国土交通大臣は、試験事務を行おうとする者の申請が、次の各号に適合していると認めるときでなければ、試験事務を行う者の指定をしてはいけません。
 
一 職員、設備、試験事務の実施の方法その他の事項についての試験事務の実施に関する計画が、試験事務の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。
二 前号の試験事務の実施に関する計画の適正かつ確実な実施に必要な、経理的及び技術的な基礎を有するものであること。
三 申請者が、試験事務以外の業務を行っている場合には、その業務を行うことによって試験事務が不公正になるおそれがないこと。
 
2 国土交通大臣は、試験事務の申請をした者が、次の各号のいずれかに該当するときは、試験事務を行う者の指定をしてはいけません。
 
一 一般社団法人又は一般財団法人以外の者。
二 この法律に違反して、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して、二年を経過しない者。
三 第十六条の十五第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して、二年を経過しない者。
四 その役員のうちに、次のいずれかに該当する者がいるとき。
イ 第二号に該当する者
ロ 第十六条の六第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して、二年を経過しない者
 
(指定の公示等)
第十六条の四 国土交通大臣は、試験事務を行う者を指定したときは、当該指定を受けた者の名称、主たる事務所の所在地、当該指定をした日を公示しなければなりません。
 
2 試験事務の指定を受けた者(以下「指定試験機関」という。)は、その名称又は主たる事務所の所在地を変更するときは、変更予定日の二週間前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければなりません。
 
3 国土交通大臣は、前項の変更の届出があったときは、その旨を公示しなければなりません。
 
(委任の公示等)
第十六条の五 指定試験機関に試験事務を委任した都道府県知事(以下「委任都道府県知事」という。)は、その指定試験機関の名称、主たる事務所の所在地または試験事務を取り扱う事務所の所在地、指定試験機関に試験事務を行わせる予定日を公示しなければなりません。
 
2 指定試験機関は、その名称、主たる事務所の所在地または試験事務を取り扱う事務所の所在地を変更するときは、委任都道府県知事(試験事務を取り扱う事務所の所在地については、関係委任都道府県知事)に、変更予定日の二週間前までに、その旨を届け出なければなりません。
 
3 委任都道府県知事は、前項の規定による変更の届出があったときには、その旨を公示しなければなりません。
 
(役員の選任及び解任)
第十六条の六 指定試験機関の役員の選任や解任は、国土交通大臣の認可を受けなければ、効力を生じません。
 
2 指定試験機関の役員が
①この法律(この法律に基づく命令や処分を含みます。)について違反行為をしたとき
②第十六条の九第一項の試験事務規程について違反行為をしたとき
③試験事務について著しく不適当な行為をしたとき
 国土交通大臣は、指定試験機関に対して、その役員の解任を命じることができます。
 
(試験委員)
第十六条の七 指定試験機関は、国土交通省令で定める要件を備える者の中から、宅地建物取引士資格試験委員(以下「試験委員」という。)を選任し、試験の問題の作成及び採点を行わせなければなりません。
 
2 指定試験機関は、試験委員を選任・解任したときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければなりません。
 
3 試験委員が、前条第二項の規定に該当するときには、国土交通大臣は、指定試験機関に対して、その試験委員の解任を命じることができます。
 
(秘密保持義務等)
第十六条の八 指定試験機関の役員、職員、試験委員は、退職後においても、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはなりません。
 
2 試験事務に従事する指定試験機関の役員、職員、試験委員は、公務に従事する職員とみなして、刑法その他の罰則を適用します。
 
(試験事務規程)
第十六条の九 指定試験機関は、国土交通省令で定める試験事務の実施に関する事項を試験事務規程として定めて、国土交通大臣の認可を受けなければなりません。これを変更するときも、国土交通大臣の認可を受けなければなりません。
 
2 指定試験機関は、試験事務規程を変更するときは、委任都道府県知事の意見を聴かなければなりません。
 
3 国土交通大臣は、以前に認可をした試験事務規程が、試験事務を適正かつ確実に実施するにあたって、適当ではなくなったと認めるときは、指定試験機関に対し、これを変更するように命じることができます。
 
(事業計画等)
第十六条の十 指定試験機関は、事業年度ごとに、事業計画と収支予算を作成します。そしてその事業年度が開始する前に(事業年度の期間中に指定を受けたときは、その指定を受けた後遅滞なく)、国土交通大臣の認可を受けなければなりません。これを変更するときも、認可を受けなければなりません。
 
2 指定試験機関は、事業計画及び収支予算の作成・変更にあたっては、委任都道府県知事の意見を聴かなければなりません。
 
3 指定試験機関は、事業年度ごとに、事業報告書と収支決算書を作成し、事業年度の終了後三か月以内に、国土交通大臣及び委任都道府県知事に提出しなければなりません。
 
(帳簿の備付け等)
第十六条の十一 国土交通省令の定めにより、指定試験機関は、試験事務に関する事項のうち、国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え、保存しなければなりません。
 
(監督命令等)
第十六条の十二 国土交通大臣は、試験事務が適正に実施されるために、必要があるときは、指定試験機関に対して、試験事務の監督上必要な命令ができます。
 
2 委任都道府県知事は、委任した試験事務が適正に実施されるために、必要があるときは、指定試験機関に対して、試験事務の適正な実施のために必要な措置をとるよう指示できます。
 
(報告及び検査)
第十六条の十三 国土交通大臣は、試験事務の適正な実施を確保するために必要があると認めるときは
①指定試験機関に対し、試験事務の状況に関する必要な報告を求めることができます。
②職員に、指定試験機関の事務所に立ち入らせて、試験事務の状況若しくは設備、帳簿、書類その他の物件を検査させることができます。
 
2 委任都道府県知事は、委任した試験事務の適正な実施を確保するために必要があると認めるときは
①指定試験機関に対し、当該試験事務の状況に関し必要な報告を求めることができます。
②職員に、試験事務を取り扱う指定試験機関の事務所に立ち入らせて、試験事務の状況若しくは設備、帳簿、書類その他の物件を検査させることができます。
 
3 第一項又は前項の規定により立入検査をする職員は、身分証明書を携帯し、関係人からの請求があったときには、身分証明書を提示しなければなりません。
 
4 第一項又は第二項の規定による立入検査の権限を、犯罪捜査のために認められたものと曲解してはいけません。
 
(試験事務の休廃止)
第十六条の十四 指定試験機関は、国土交通大臣の許可を受けなければ、試験事務の全部又は一部について、休止又は廃止してはいけません。
 
2 国土交通大臣は、指定試験機関の試験事務の全部又は一部を休廃止した結果、試験事務の適正かつ確実な実施が損なわれるおそれはないと認めるときでなければ、前項の規定による許可をしてはいけません。
 
3 国土交通大臣は、試験事務の休廃止を許可するときは、関係委任都道府県知事の意見を聴かなければなりません。
 
4 国土交通大臣は、試験事務の休廃止を許可したときは、その旨を、関係委任都道府県知事に通知して公示もしなければなりません。
 
(指定の取消し等)
第十六条の十五 国土交通大臣は、指定試験機関が第十六条の三第二項各号(第三号を除く。)のいずれかに該当することとなったときは、指定試験機関の指定を取り消さなければなりません。
 
2 国土交通大臣は、指定試験機関が次の各号のいずれかに該当するときは、指定試験機関の指定を取り消すか、期間を定めて試験事務の全部若しくは一部の停止を命じることができます。
 
一 第十六条の三第一項各号のいずれかに適合しなくなったとき。
二 第十六条の七第一項、第十六条の十第一項若しくは第三項、第十六条の十一又は前条第一項の規定に違反したとき。
三 第十六条の六第二項(第十六条の七第三項において準用する場合を含む。)、第十六条の九第三項又は第十六条の十二第一項の規定による命令に違反したとき。
四 第十六条の九第一項の規定により認可を受けた試験事務規程によらないで、試験事務を行ったとき。
五 不正な手段により、第十六条の二第一項の規定による指定を受けたとき。
 
3 国土交通大臣は、前二項の規定による処分に係る聴聞を行うときには、聴聞期日の一週間前までに、不利益処分の名宛人に対して、行政手続法第十五条第一項の規定による通知をし、かつ、聴聞期日と場所を公示しなければなりません。
 
4 不利益処分の名宛人の所在が不明で、前項の通知を、行政手続法第十五条第三項に規定する掲示場に掲示する方法で行う場合には、聴聞の期日までにおくべき相当な期間は、二週間を下回ってはいけません。
 
5 第三項の聴聞の期日における審理は、公開により行わなければなりません。
 
6 国土交通大臣は、第一項又は第二項の規定による処分をしたときは、その旨を、関係委任都道府県知事に通知して公示もしなければなりません。
 
(委任の撤回の通知等)
第十六条の十六 委任都道府県知事は、指定試験機関に対する試験事務の委任を撤回するときは、その三月前までに、撤回する旨を指定試験機関に通知しなければなりません。
 
2 委任都道府県知事は、指定試験機関に対する試験事務の委任を撤回したときは、撤回した旨を公示しなければなりません。
 
(委任都道府県知事による試験の実施)
第十六条の十七 指定試験機関に試験事務を委託したときには、本来、都道府県知事は試験事務を行いませんが、以下の場合には、都道府県知事が試験事務の全部または一部を行います。
 
①指定試験機関が試験事務の全部若しくは一部を休止したとき
②第十六条の十五第二項各号のいずれかに、指定試験機関が該当することを理由に、国土交通大臣が指定試験機関に対して、試験事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき
③天災その他の事由により、指定試験機関が試験事務の全部若しくは一部を実施することが困難となった場合で、国土交通大臣が必要があると認めるとき
 
 
①委任都道府県知事が前項の規定により試験事務を行うことになるとき
②委任都道府県知事が同項の規定により試験事務を行う事由がなくなったとき
速やかにその旨を、その委任都道府県知事に通知しなければなりません。
 
3 委任都道府県知事は、前項の規定による通知を受けたときは、その旨を公示しなければなりません。
 
(試験事務の引継ぎ等に関する国土交通省令への委任)
第十六条の十八 以下の場合における、試験事務の引継ぎその他の必要な事項は、国土交通省令で定めます。
 
①前条第一項の規定により、委任都道府県知事が試験事務を行うことになった場合
国土交通大臣が、第十六条の十四第一項の規定により試験事務の廃止を許可した場合
国土交通大臣が、第十六条の十五第一項若しくは第二項の規定により、指定試験機関の指定を取り消した場合
④委任都道府県知事が、指定試験機関に試験事務を行わせないことにした場合
 
(受験手数料)
第十六条の十九 都道府県は、指定試験機関が行う試験の受験者から、受験手数料を徴収し、その手数料を指定試験機関に納めさせて、収入にすることができます。